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機能しなくなったギムナジウム

ドイツのギムナジウムは日本の高校と異なり、大学入試に焦点を当てた学習内容ではなく、大学の講義に対応できる学力を培うような学習内容となっているはずなのだが、少子化に伴い、学力的に問題があるような児童もギムナジウムへ進学する現在、本来の機能を果たせなくなりつつあるようである。

長男はこの夏にNRW州のギムナジウムを卒業し、現在バイエルン州の大学に通っているのだが、電話の度に、溜息をつきながら、大学での苦行の行状を訴えてくる。

この大学、この学科に限っての事かどうかは定かではないが、一つの講義で学習単位の一つは当たり前で、時には二単位も進んでしまうらしい。

確かに演習は別の時間に組まれているため、講義では主に解説が中心になるため、進度が速いのかもしれない。

ドイツの大学は日本を除いた他国のように、10月始まりであり、確か2月か3月に前期が終了し、4月頃から後期が始まるはずである。

前期終了時点で、科目によっては試験があるが、長男の大学の場合、この試験は誰でも受けられるわけではなく、オンライン等で3、4回のテストを受け、その結果次第で受験資格が得られるそうだ。

科目によってテストの合格ラインが異なるのかは明らかではないが、話によればIT等は60%だということだ。

たとえ内容が理解できる問題であっても、短時間に多数の問題では慣れと処理能力が必要となる。こういう方式は、一時日本で流行った漫画『ドラゴン桜』に出てきた東大の入試傾向に似ているやもしれない。

けれどもドイツの大学は、早い講義は8時に始まり、遅い講義は夜7時に終了するため、毎日講義が朝から晩まで詰まっていることはないといえ、徹底的に復習をする時間を取るのは容易ではない。

ましてや、長男のように一人暮らしで自炊となれば、時間のやり繰りは大変である。

大学が大変なのは何も長男だけではなく、同じくこの夏から州内の大学に通い始めた姪も、苦労しているようであり、その他、周囲の話を聞いても同様である。

ギムナジウム卒業生が口を揃えていうのは、10月からの3ヶ月未満の間の学習量は、アビトゥアに費やしたもの以上だということである。

誰しも新しい状況に適応するまでには、時間を要することは間違いなく、慣れてくれば学習の要領、手抜きも出来るようになるだろう。

しかし私が問題視しているのは、平均以上のレベルにいるギムナジウムの生徒は、さほどの勉強をせずとも、アビトゥアに合格してしまうという事実である。

従ってギムナジウムの就学期間に学習するという習慣が身につかないまま、大学へ進学する生徒が増えているということである。

長男をみても、最後の最後には受験生らしく勉強するようになるという話には程遠く、地理の試験などは、ほとんど一夜漬けであり、他教科にしても大差は無かった。

来年の夏にアビトゥアを控える次男も然りで、11月末から試験期間であるにも関わらず、机の前に座るのは、宿題などを合わせても、せいぜい1時間ほどであり、昨夜などはこともあろうに、スクール・バトルという市内の学校対抗パーティーに出掛け、帰宅はなんと今朝の4時であった。

私が見るところ、現在のギムナジウムの問題は、学習内容の質の低下は無いかもしれないが、学力が低い生徒に合わせての内容や量の削減があるようで、平均以上の生徒にとっては物足りない状態なのだといえそうだ。

特にNRW州はドイツの中でも、学力が低い州であるため、他州の大学では苦労するのかもしれない。

今年のアビトゥアからは主要教科であるドイツ語、英語、数学の問題が名目上全国統一となった。

これを機に、そろそろ学校教育も全国統一にした方がいいのではないだろうか。




今回も最後までお読み頂き有難うございました。次男は夕べ、初雪が降る中、クレフェルドの競輪場で開催されたスクール・バトルというパーティーに出掛けていきました。これは2006年にウッパータールという所で始まったもので、市内の高等部の生徒(主に高三生)が各学校チームで、歌や踊り、寸劇などを披露し、最終的に勝ち抜いた3チームに、卒業パーティー用に賞金と、カップが授与されるというものです。夜10時に始まり、明け方まであるようです。高三生は年内に試験を終えるとともに、前期が終了となるわけで、卒業成績に関わる大事な試験期間中に、こんな事をしていて果たしていいものでしょうか。といっても、思春期のティーンを親が止められるわけがないのですが・・・

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No title

はじめまして。
いつも興味深く拝読させていただいています。

ちょうど先日、ドイツ人友人と同じテーマで、同じことを話していました。


ご存知のとおり、ベルリンの学力はドイツ最下位を争うほど低いものですが、ドイツ友人曰く「現在のアビの“1”は20年前の”3”相当くらいにまで、落ちている」そうです。


学力の底上げを目指すあまり、全体的なレベルが下がっている、とのことです。


すなわち、貴記事で書かれているように、「学力が低い生徒に合わせての内容や量の削減があるようで、平均以上の生徒にとっては物足りない状態」というのは、ベルリンのギムナジウムおよび小学校でも同様です。


特に当地では、元々移民難民が多い上に、市の財政が常に緊迫しているので、特殊学校も普通学校に合併されてしまい、支援を必要とする子供たちが、普通学級に属しています。息子のクラスでは、半分がそのような子供で占められており、当然、授業は下のレベルに合わせて行われています。


さすがに、ギムナジウムではそのようなことはないと思いますが、「ベルリンでトップレベルのギムナジウムに通っていても、ドイツ全国(特にバイエルン州)では全く歯が立たないくらいレベルの差がある」という話はよく耳にします。



ちょうどギムナジウム進学について、情報収集をしている真っ最中だったので、興味深く読ませていただきました。有意義な記事をありがとうございます。


PS:貴ブログのタイトルはドイツ語に由来するものだったのですね

Re: No title

アンペルフラウ様、

コメントを有難うございます。

NRW州も特殊学校を廃止し、普通の学校に子供が入ってきてますが、普通の教師一人では手に負えず、補助員が付き添っていたりする状況です。子供達が通うギムナジウムにも、知能に遅れがある障害児が混ざっている学級が2クラスありますし、難民クラスも出来ました。

ギムナジウムは小学校よりは生徒の質がアップしますが、学校は州をあげての落ちこぼれ撲滅プランに参加している事もあり、出来ない生徒への補習はあっても、出来る生徒へのフォローはありません。

一度、数学教科会議に保護者代表として参加し、習熟度別クラスの設定を提案しましたが、即時に却下されてしまいました。

お子さんはこれからギムナジウムとのこと、大変ですね。

弛みまくる子供を8年間、引っ張るのは親しかいません。がんばってください(がんばってんジィ)!

バイエルン州でも問題

レベルが高いと言われるバイエルン州。
確かにギムナジウムの勉強は難しい。
ですが、わざと難しくして、出来る子だけを残すように感じます。

私が理想と思っているのは、親が関わらなくても、課題を理解できること。宿題も親が関わらなくても出来る範囲にしてほしい。
親が「お勉強が出来るか、お金があって家庭教師を雇える」という子供だけがついていける学校制度って、間違ってると実感しています。

ですが、バイエルン州はずっとドイツで1位だからか、教育改善意識が本当に薄くて、ギムナジウムの勉強で、うちの子はアビの後、
「最低半年は休む。もう気力がない」と心底疲れ果ててました。

授業の内容だけで理解できれば、苦労はない。
いかに、底上げを図れるか。
理解したいのに理解できないで苦しむ子供を減らしたいと
切実に感じています。

勉強する習慣がついたのは、良かったのかもしれませんけどね。
必死で勉強しても、成績が伸びない子の辛さを一緒に経験しました。

バイエルンも良いことばかりじゃない、ということで。




プロフィール

ダイネムター

Author:ダイネムター
がんばってんジィ(Gammbatten Sie)!の管理人、ダイネムター(Deine Mutter)です。ミュンヘンで昨年から大学生している長男とNRW州州都デュッセルドルフで大学生になったばかりの次男を持つ日本人母です。
これまでの経緯で気づいたドイツと日本の教育の違いや、お子さんをドイツ内外のドイツ学校に通わせていらっしゃる方々へ何か役に立てることがあれば書いていきたいと思っています。
他の州の情報にも興味がありますので、うちの州はこうだぞというようなコメントを頂ければ嬉しいです。

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