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日本とドイツの大学入学(資格)試験問題

長男のギムナジウムの地理基礎コースの男性教師は、職業軍人などの経歴を経て、教師になった人物だが、鼻から日本の試験問題を馬鹿にしている。

日本の問題は暗記物が中心で簡単だと主張しているのである。

確かにギムナジウムの地理の基礎コースの試験は、暗記で解ける問題はなく、提示された10ほどの資料を基に論述する問題であり、3つのテーマの1つを30分以内に選択し、それを3時間掛けて解くことになる。

具体的な一例を挙げると、テーマが国際競争における農作物生産の構造と過程で、ベトナムのコーヒー栽培のケースが問題となっている。

設問は3つで、ベトナムについて記述し、コーヒー栽培のための地理的条件とベトナムにおける普及について述べよの第一問に続き、ベトナムのコーヒー栽培の発展と意義について説明せよが第二問で、ベトナムのコーヒー栽培の将来性について論述せよが第三問である。

問題にはコーヒー栽培地帯と森林の分布地図が各1枚、コーヒーと主な種類2つの生育条件(文章と表)、ダック・ラックという都市の気温、降雨量のグラフ、ベトナムのコーヒー・セクターについての資料と、所有面積別営業者数を表わした棒グラフ、1992年から2012まで2年おきのコーヒーの生産量と耕作面積を表わすグラフ、同年間の輸出量と輸出額のグラフ、2001年と2013年のベトナムの経済、生産状況データー、2002年から2012年まで2年おきのアラビカ種とロブスター種の世界市場価格を示す棒グラフが提示されている。因みに教室で貸し出される世界地図帳、ドイツ語辞典、グラフ関数電卓の使用が許可されている。

これに対する日本の大学の入試問題をネットで捜してみたが、3流くらいになると、まさにセンター試験を彷彿とさせるような問題になるめ、天下のT大の入試を見ることにした。

ドイツと同じく解答時間は3時間で、大きな問題が3問、その下に設問AとB、更にその下に3、4の小問題がある。

具体的な例を挙げると、第一問のテーマは再生可能エネルギーで、設問Aの1は2010年の二酸化炭素排出量の上位五カ国が表で挙がっており、日本を除いた残る4カ国の国名を書く問題。2はバイオマス燃料の燃焼はバイオマスが再生産されれば地球温暖化にはつながらないとされる理由を光合成、二酸化炭素という語句を入れて2行以内で述べる問題。3はアメリカとブラジルでバイオマスエネルギーの燃料となるエタノールを生成するための原料となる植物の名前を国ごとに挙げるとともに、アメリカでこのような形でのエネルギー生産によって生じている問題について2行以内で述べる問題。

設問Bは1992年かkら2010年までの年毎の日本の再生可能エネルギーによる発電能力4種類の推移を示す線グラフと、そのうちの2種類の2010年の発電能力について都道府県別に上位5位までを示した表が掲載されている。

設問1は4本それぞれの線が風力、水力、地熱、太陽光のどれを示すかを書く問題。2は線の1つが1995年以降停滞している理由を(表の該当する場所から推測される)立地条件とともに2行以内で述べる問題。3は化石燃料が太陽エネルギーより生成したものだと述べた後、先の4種類のエネルギーのうち、太陽エネルギーに頼らないものを1つ選ぶ問題。4は表の1種類のエネルギー生産の1、2位の青森県、北海道が立地条件としてどのような優位性を備えているか、自然条件の面から1行でのべる問題。

第二問のテーマは世界の人、物、情報の流動で、設問Aには表と地図が添付され、小問題が4つ、設問Bには2つの棒グラフが添付され、小問題が2つ。

第三問のテーマはヨーロッパの国々で設問Aには主要国における輸出品構成配分図が記載され、これに関する小問題が3つ、続く設問Bには独仏西のEU内外への輸出入の貿易額と輸出品目の表とEUが貿易赤字を抱える相手国、日中露と貿易額の表が示され、これに関する小問題が3つ。

穴埋め問題は少ないものの、表示されている資料を解析するという作業は少なく、予め出された結論の理由を既習内容や常識に照らし合わせて考えるというパターンが主で、それを2行書きするものが多い。

ドイツの大学入学資格試験の内容が、大学で研究するに相応しい基礎ができているかを確かめるためのものであるのに対し、日本の大学入学試験の内容は、ドイツ教師が指摘するように暗記や教養に拠るところが多く、研究云々というより努力と地頭の出来具合を調べるものであるといえようか。

数年前に、ケルンの大学入学資格試験合格者が、ギムナジウムを卒業し、3ヶ国語での読解解釈は書けるようにはなったが、保険などをはじめとする実生活に関する知識に欠けるという現状に苦言を呈し、マスコミにも注目されたことがあったが、ギムナジウムが大学へ行くための準備校であることを考えると、その卒業生の現状には何の不思議もない。

ここで個人的な意見を言わせてもらえば、それだけの教育の素養があれば、必要な情報を収集し、処理する能力も育っているであろうと思われ、実生活を送るにあたり、大きな支障はきたさないと考えられる。

記事を書きながら大学進学に特化するギムナジウムに対し、日本の高校の存在意義はどこにあるのかという疑問が最後に残った。



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Author:ダイネムター
がんばってんジィ(Gammbatten Sie)!の管理人、ダイネムター(Deine Mutter)です。ミュンヘンで昨年から大学生している長男とNRW州州都デュッセルドルフで大学生になったばかりの次男を持つ日本人母です。
これまでの経緯で気づいたドイツと日本の教育の違いや、お子さんをドイツ内外のドイツ学校に通わせていらっしゃる方々へ何か役に立てることがあれば書いていきたいと思っています。
他の州の情報にも興味がありますので、うちの州はこうだぞというようなコメントを頂ければ嬉しいです。

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