IB(国際大学入学資格)かアビトゥア(ドイツ大学入学資格)か

ドイツ国籍も持つ子供がいる友人の一人が日独以外の国に住んでいるのだが、将来の事を見据えると、子供に何の試験を受けさせるのがいいだろうかという話になった。

彼女のご主人はドイツ国籍者であるが、家庭での主な使用言語は日本語であり、ご主人と子供は主にドイツ語で話している。

子供は現在ギムナジウム高等部過程に在籍しているのだが、もし途中で進級が出来なくなった場合にどうするか?

実際、NRW州の統計によれば、中等部から高等部に進学する際、高等部一年から二年に進学する際の退学、転学、留年する生徒の数は少なくない。

進級が困難な場合、ドイツ国内であれば、ベルーフス・コレーグという職業学校に転校し、そこで専門アビトゥアを取るか、(総合学校やギムナジウムのアビトゥアと内容が異なる為、評価が低いものの)普通のアビトゥアを取るかが、一般的であるが、国外となると、そういった受け皿も全く無かったり、少ないため、ドイツに帰国できないとなると、インターナショナルスクールに転校することにある。

さてインターナショナルスクールに転校すると、IBを取るコースと単に卒業するコースのどちらかを選択することとなる。

ではIBコースを取って卒業した場合、確実にドイツの大学に入れるかといえば、そうでもないらしい。

IBコースは教科選択前に、将来、希望する大学が決まっているのであれば、その大学のIB取得者の入学条件に合わせた教科を取ることで、進学が可能となるが、進路を途中で変更すると、進学できなくなるおそれもある。

IB関連の記事を検索していた時、ドイツ国外に住み、二人の子供をインターに入れていた母親のブログを読んだ。

それには、ドイツの大学で歴史の専攻を希望していた長男が、2017年にインターでIBを取得したが、希望した大学全てが、IBで数学のHL(高レベル)と自然科学系学科のHLを選択していなかった事を理由に願書を受け付けてくれなかったのだと書かれていた。

続く長女も既に高二で、IBの教科を変更するわけにもいかず、当の長男はIBで取った教科で受け入れてくれる隣国デンマークで、大学生活をスタートし、途中でドイツの大学に転校するようにしたそうである。

その母親はIBを受けようとする親に対して、将来ドイツの大学に入学を希望するのであれば、数学と自然科学系学科のHLを取るようにと呼びかけていた。

日本でも文科省が将来的にIBを取得できる高校を増やそうとしているようだが、IBで大学入学が可能な国があるのであろうか。
アメリカであればSATが重要であり、イギリスでもドイツでもIBの評価は高くはない。

その証拠に、ドイツのインターに通う生徒で、ドイツの大学に進学希望する生徒は、別途、アビトゥアを受けると聞く。

また先の友人の知り合いで、スイス人のご主人を持つ人は、長女がインターでIBを取ったものの、スイスでも入学できる大学がなく、次女を急遽、ドイツ学校の高二に転校させてしまったという。

これらの例に見られるように、IBは高校に入学するやいなや、志望大学学科が決められる生徒であればいざ知らず、ごく普通の生徒にとっては、非常に使い勝手が悪い資格だと言っても過言ではないだろう。

日本はなぜIBに固執するのだろうか。インターナショナルという言葉に魅力を感じているのだろうか。




今回も最後までブログをお読みくださり有難うございます。IBの試験問題を調べています。私は数学に重点をおいて、子供達の勉強を見てきたため、特に数学の問題の比較をしてみたいと思っています。2016年の高レベルの試験をざっと見た感想としては、2時間の試験が2日、加えて1時間の試験が1日で、計5時間のようですが、問題数が多いけれど、下手をすれば日本の私立の中学校の問題に出そうなものも。詳しくはまた時間がある時に書く予定ですので、お楽しみに。

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大学入学資格試験(アビトゥア)2018

次男の大学資格試験が月曜日に行われた口答試験をもって終了した。

初日は復活祭明け早々の4月の初旬であったので、約2ヶ月も試験期間があったわけだ。昨年の長男の時は5月の1、2週に3教科の筆記試験があり、月末に口答試験と短期間であったため、親としても気が楽であったが、今年は大変だった。

試験と試験の間に下手に時間があると、どうしても気が緩んでしまうからだ。次男もアビトゥアの期間にも係らず、今まで通りにパーティーに行ったり、ガールフレンドの元にもせっせと通っていた。

特に筆記が終ってしまってからは、次男とその友人達は口答試験が残っている事を忘れているかのように、連日のようにスポーツジムに通ったり、集まっては飲んだくれているという有様であった。

あまり勉強しなかったとはいえ、ほとんど自宅にいた長男に比べ、社交的なゆえに外出も多く、時には外泊もする次男には、本当にヤキモキした。

先ほど今年のアビトゥア関係の記事を読んだところ、昨年に続き、今年も試験用紙の入った金庫が開けられ、問題が盗撮されたそうである。ゴスラーのギムナジウムで起きたそうだが、長男の話ではバイエルンの学校でも似たような事件が起こったという事であった。

そのせいで、学校によっては、新しい数学の問題をコピーするのに時間が掛かり、試験開始が遅れたところもあったという。

そういえば、昨年、数学の試験の開始がコピーの関係で遅れたのだが、今考えてみると、どこかで試験問題が盗撮されたことが原因だったのだろう。

こういった手違いを修正するためかどうかは分からないが、今年の試験開始時間は昨年に比較して、30分ほど遅くなっていたような気がする。

ところで今週の月曜日と火曜日は口答試験だったのだが、去年に同じく夏日となり、受験生は大変だったと思う。

幸い、次男は朝一番のグループであったため、25度いくかいかないかの中での試験となったが、昨年の長男の時は、夕方最後のグループで、30度を越す暑い教室での試験であった。

通常気温が30度を超すと、学校も臨時休講となるのだが、流石に試験は中止されず、生徒は汗だくで試験に挑んだ。

生徒の皆さん、また保護者の皆様、お疲れ様でした。



今回も最後までブログをお読みくださり有難うございます。

次男の成績発表は6月6日で、成績如何では追試を強要されたり、希望を出したりします。成績を上げるべく、追試に臨む生徒もいますが、追試によって成績が逆に下がってしまう事もあるので、合格線にあるのならば、敢えて追試を希望しない方がいいような気がします。実際、筆記が2-とかで追試を受けた生徒がいましたが、追試である口頭試験で4とかを取って、最終成績がかなり下がってしまった生徒もいました。

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恐怖の八面体

NRW州の大学入学資格試験の筆記は4月11日の自然科学を皮切りに、18日が地理で、5月2日の数学で終了した。

昨年、長男が大学入学資格試験を受けた際は、数学が5月の第一週で、その翌日が地理、その6日後が化学と、短期間で終了したので、受ける長男はともかく、見守る家族としては比較的楽であった。

これに比べ、今回の次男の試験は期間が長かったため、大変だった。

受験した次男や、似たような試験教科を選択した学校の友人達は、緊張感が持続せず、途中、泊りがけで飲み会をしたり、映画に行ったりと、傍観者である家族の方が不安が募った。

さて、ドイツでは昨年度2017年から主要教科である英、数、独の筆記試験は全国共通試験という名で実施しているのだが、実は試験用に集められた問題の中から、州単位で問題を選択して行っている。

他教科は州ごとに問題が作成されるのだが、NRW州では地理のように3つの問題から生徒が1つを選択解答するものや、生物のように必修問題と2つの問題から各学校の担当教師が選んだ1つを解答するものなど、教科によって選択の幅が異なる。

生徒自身が問題を選択できるのであれば、幾分楽ではあるが、選択の余地がない教科は大変である。

問題選択が出来ない教科の一つが数学であるが、数学は年によって難易度が異なるためか、数年に一回は、生徒から教育庁長官宛への苦情が出る。

その中でも有名なものが、今回のタイトルである『(恐怖の)八面体』(2008年)の問題である。

立方体の各面の中心点に頂点を持つ、八面体に関するベクトルの問題なのであるが、難易度が高く、多くの生徒が通常より低い点を取った。

他の教科を取った生徒に比較して、不利になるため、配点の軽減を廻り、多くの生徒がデモに参加したという経緯がある。

これは今でも数学コースを選択した生徒の間で『恐怖の八面体』として有名である。

今年の数学の試験は、次男の話によれば、昨年度に比較して内容的には簡単であり、試験前に試験監督である教師も「今年の数学は簡単だ。」と呟いたそうである。

しかし悲しいかな設問数が多かったらしく、試験の終了当日(或いは翌日)には、数学問題を巡って教育庁宛に陳情するネットのサイトが開かれた。

それによれば、「普段は数学が得意で14点(最高15点)を取る生徒でも、最後の問題まで解く時間がなかった。解答を急ぐあまり、不注意による失点を引き起こした可能性も高い。これでは解く能力を備えている者の真の能力を測ることが出来ない。よって試験問題は適切ではない。」ということらしい。

先ほどネットで関連ニュースを見たところ、この主張に同意する生徒が1万5千人も集まったということである。

確かに数学が得意である次男も一回しか見返すことが出来なかったと言っていたので、問題数が多かった事は間違いないようではあるが、不当だというところまでは行かないらしく、学校庁長官も事後の配点調整などはしない方向であると話しているようである。

誰でも点を取れるような問題にした結果、必然的に問題数が増えてしまったという事であろうか。

恐怖の八面体と簡単な多数の問題のどちらかを選べるとするならば、あなたなら、どちらを選択しますか。


samurai.png
昨年、買った柏の木はまだ60cm位ですが、今年は葉が増えたので、自家製かしわ餅を作ってみましたが、葉の蒸し具合がよくわからず、今一つでした。


ご無沙汰しておりましたが、またブログをお読みくださり有難うございます。次男が家を出た後、どうしようかと、子育て後の人生を検討中です。経験を活かして家庭教師でもするか、教育コンサルタントになるか。なにせ晩婚に丸高出産なので、還暦まで後数年です。この年で企業への再就職はどんなものでしょう。

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大学進学の戦略変更

次男のアビトゥアの最終筆記試験まであと8日となった。

残る時間が少なく、勉強は計画通りに進んでいるわけでもないにも係らず、一日三時間もドイツのラップを聞きながら勉強していればいい方で、後はネットフリックスでシリーズものを見ていたり、エアソフトの個人の売買のサイトを見ていたり、フィットネスのためにジムに行ったり、ガールフレンドの家に行っていたりで、傍で見ている私の方が心配しすぎて、倒れてしまいそうな状況である。

これでは怠け者に見えた長男の方が同時期、もっと勉強をしていたような気がする。

現在、この長男はといえば、これもまた頭痛の種で、NRW州のアビトゥアを最終的に1,4で合格したものの、ミュンヘンの大学では、かなり苦戦している。

とはいえ、前期と後期の間の休暇中に二週間ほど、ふらりと帰省していた長男の生活ぶりをみる限りでは、以前と比べれば、少しは勉強するようになっているにしても、他の事をする時間がかなり多く、親からしてみれば、もっと本腰を入れて勉強すればいいものをと苦言を呈したくなるのである。

姪にしても長男にしても、大学が始まってからの半年、アビトゥアの二年間以上の勉強をしたと言って憚らない。

困った事に二人とも、前期に各々一教科試験に落ちてしまい、後期終了後に追試が待っている。

長男は後期は勉強計画を変更してみると言っていたが、このまま合格ギリギリで学士を修了することになれば、修士には進めないことになる。

ドイツの総合大学は元々修士課程まで一貫してあったため、未だに学士卒業者は企業に歓迎されない向きがある。

職業実習を終えた者でもなく、修士課程に進学できないような成績で学士過程を終えた日には生活保護受給者にもなりかねない。

ところで最近長男が身を持って実感した事だが、やはりドイツの学業優秀な州であるバイエルンの自然科学の教科内容はドン尻をいくNRW州の一年先をいっているというのは過言ではないらしい。

ドイツの大学では、日本の大学のような基礎教養的な教科は多くないものの、専攻に関連する教科の中には、高校で選択しなかったものもある。

長男の場合、それが生物である。化学エンジニアを専攻したのだが、前期の講義にも後期のにも化学の化の字もなく、代わりにCADや物理、数学、生物等などが並んでいる。

昨年いつだったか、ギムナジウム保護者連合で『今時のアビトゥア取得者は大学教育に耐えうるか?』という講話があったというのを読んだ事があったが、州内でもそういう状況であるわけで、ましてや州違い、しかも教育水準の高い州の大学に進学するというのは、はっきり言って自殺行為なのかもしれない。

まずは州内の大学で学士を取得してから、州外の大学の修士に進む方が賢いのではないのだろうかと思うようになった。



今回も最後までお読みくださり有難うございます。ここ暫く、二人の事があまりにも心配でブログを書く元気もでませんでした。
最後一週間くらい、朝から晩まで勉強してくれれば、こちらも安心できるのに・・・
次男は16歳でアビトゥアを受けるということもあり、まだ一人で大学に出すには非常に心配です。そこで最終筆記試験の結果が長男と同じ成績の場合、州外の大学に挑戦してもよいという事にしましたが、果たしてどうなることやら。

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閉じ込められた集会‐アビトゥアにあと一点が足りない時

職員室に溜息が漏れる。今しがた誰かが職員室の戸をノックしたのだ。

金曜日の午後、この来訪を誰しも予想だにしなかった。

憤慨した男が職員室に足を踏み入れた時には、「私的な集会です。」と体育教師のメルテンスはまだ冗談を飛ばしていた。

この男の息子はアビトゥアの受験資格にあと一点が足りなかった。

父親はそれを要求しに来たのである。事によっては暴力沙汰になったとしても。

けれども誰一人として耳を傾けようとしないため、男は全教師を人質にとる。

一時間、彼の息子のこの先についてを審議せよという要求をし、戸を閉める。

かくして私的な集会(Geschlossene Gesellschaft)は閉じ込められた(Eingeschlossene)集会となった。

6人の職員代表が膨大な資料、筆記用具と弁当箱の載ったテーブルを囲んで座り、傍ではコーヒーメーカーがコーヒーを沸かしており、後方のスクリーンには残りの職員室が映し出されている。

高等部主任が武器を目の前にしながらも、自身の原理に忠実に、「我々がなびいたら、すぐさま拳銃をもった保護者が毎日のようにここに立つ事になるだろう。」と言う。

一時間以上も生徒の話から逸脱し、果ては教育システムや、特定の教師のタイプの批判までに至るが、仕舞に化学教師のフォーゲルが「思うに、我々は自分達の事をあまりにも重要視してないか?我々は成績に力を行使する神ではない。」と発言する。

果たして、事の結末は・・・

これは、かなり前のブログでも紹介した『Das Pubertier(思春期獣)』の著者であるワイラー・ヤンの新作のオーディオ・ブックを元に、コッペルマン・レオナールドが監督で劇化したものの一部である。

学校関係を劇化したものといえば、『ミュラー先生、追放!』があったが、双方ともドイツの学校と、それを取り巻く保護者がよく表されていて、非常に面白いと思う。

『閉じ込められた集会』は新聞記事で知っただけで、全ては知らないが、機会があれば、オーディオ・ブックを是非、聞いてみたい。




今回も最後までお読み頂き有難うございました。

1月半ばの前期の成績表配布で既にアビトゥア受験資格取得が不可能で、退校した生徒が出ましたが、来週の金曜日にはイースター休暇明けに始まるアビトゥアが受験できるかどうかの最終発表があります。

受験資格獲得には資格期である高ニと高三の成績の合計が確か最低で300点必要です。能力コースでの最低点や各教科における最低点など、細かな規則もあり、非常に複雑ですが、毎年、ギリギリで資格が取れた生徒、逆に取れなかった生徒がでます。

長男の時には、300点でクリアーした生徒が床を転がり回って喜んだという話を聞きました。子供達のギムナジウムで299点で落とされる生徒はいないとは思いますが、あと数点であれば、なんとかしてほしいと思うのは親心ですよね。

ところで最近資格を取れなかった生徒の中に、無断欠席が多いために成績に落第点が付いたのが原因となるケースが増えているそうです

ドイツの高等部は日本の大学のように授業がない時間も多いうえ、休講もしばしばなので、朝1時限の後は、午後の6時限まで授業がないということもあります。

保護者としては子供の言い分を鵜呑みにせずに、目を光らせる必要がありそうです。

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プロフィール

ダイネムター

Author:ダイネムター
がんばってんジィ(Gammbatten Sie)!の管理人、ダイネムター(Deine Mutter)です。この秋からミュンヘンで大学生を始めた長男とNRW州のギムナジウムの最終学年に在籍する次男を持つ日本人母です。
これまでの経緯で気づいたドイツと日本の教育の違いや、お子さんをドイツ内外のドイツ学校に通わせていらっしゃる方々へ何か役に立てることがあれば書いていきたいと思っています。
他の州の情報にも興味がありますので、うちの州はこうだぞというようなコメントを頂ければ嬉しいです。

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